このコーナーは、伽奈泥庵の「みき」が「最近観た」ものの中で「面白くて」、なんとなく「お酒が進む」ような、「おすすめ」の「映画」を勝手に紹介するコーナーです。暇つぶしにでもお読みいただけると、そしてその映画に興味を持ってもらったりしてもらうと、その上観に行ったりして、そんでもってその感想を聞かせてくれたりすると、すごくうれしいかも。


Coffee and Cigarettes(コーヒー&シガレッツ) 2005.6.1


2003/U.S.A
監督、脚本/ジム・ジャームッシュ

 

「ジム・ジャームッシュが18年にわたって撮りためてきた短編集11話がもうすぐくるよ」

と聞いたトタンから待ち遠しくてとんで行きました。

久しぶりにJarmuschの映画を観て思ったのは心が自由に楽しくなることです。
モノクロの字幕 流れてくる音楽、そこからもう「フ、フ、フ」と笑ってしまうし、登場人物がキミョウで愛らしく、たわいない会話のおかしさがJarmuschの世界なのデス。
皆、大人なのに子供っぽくて、つっぱってみたり、だましたり、空想の世界にまよいこんだり・・・・・。

Jarmuschの誰にも指図は受けないゾ好きな映画を好きな仲間と楽しくつくるんダヨというポリシーがそのまんま画面に写しだされていて観ている自分も知らぬ間にJarmuschの仲間になってしまっている様な気がしてきてリラックスした気分になりますネ。

おまけにトム・ウェイツとイギー・ポップの組み合わせなんてJarmuschしか出来ないし、不良大人バンザイとサケビタクなります。
くたびれた皮ジャンにヨレヨレのシャツとGーンズでソファーにだらしなくダラーっとすわって、医学の話からタバコは身体に害があるトカ言いながら2人共うまそうにタバコをすい
「ここのコーヒーはうまい」
とニヤッと笑うトコロがスゴクカワイイのデス。
イギー・ポップがトム・ウェイツにこの店の常連のお前の曲が
ジュークボックスに入ってないヨ というとトムはそれがどうしたんダヨという態度なのに、イギーがBye Byeと帰ってしまうと、スグ、ジュークBOXの曲調べに行き、
「あいつのも入ってない。」
とモノスゴクうれしそうに満足げな様子がかわいくて母性本能をくすぐられます。

最初のSTRANGE TO MEET YOUから最後のCHAMPAGNEに至る迄
タバコの煙でつくるドーナッツの様な一話一話がスーッと一筋のけむりになって消えてゆく、おしゃれでいきな大人の味をかんじました。
最後のマーラーの曲はしびれますョ。

コーヒーTimeにはまっていたと思ったらもう夕刻。
トム・ウェイツのCLOSING TIMEを聞きながらビールでよっぱらいましょう。

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NENETTE et BONI(ネネットとボニ) 2003.10.03


1996/フランス映画/クレール・ドウニ監督

 

クレール・ドウニ監督の映画をはじめて観たのは、ヴェンダースのプロデュースでドウニ監督が子供時代をアフリカで過ごした体験を元にした「ショコラ」で感激の一番目、でした。

次は「パリ、18区、夜」

移民のたむろする18区を舞台にし、人種問題、アフリカ音楽、一人暮しの老人という社会現象をとらえ、アフリカの男の子が実際におこした老女連続殺人事件を中心にドウニ監督独特の淡々とした風情で描いていて、「カリ」の音楽がとても良いのです。  そして第3番目の感激した映画「ネネットとボニ」の紹介です。
ボニとネネットが住むマルセイユも、元々はギリシャ人が建設した街でローマがそれを継ぎ、南仏なのにギリシャ、イタリア、アフリカのミックスされた文化と混沌とした下町で犯罪がまかり通っているような処でもある。
家庭の事情で離ればなれになっていた兄と妹がひょんな事から再会し、ぎくしゃくしながらも歩み寄って愛をかんじていく様子がドウニタッチで痛く、やさしく描かれているのです。
そのドウニタッチを支えているカメラのアニエス・ゴダールが身体を、すれすれにふれていく様なカメラワークで観ている者は、ドキドキしてしまいます。
19歳で母を亡くし、その母の小さな家で暮らすボニはおじさんにもらった車のバンで仲間とピザ屋を営み、たまに悪い事の片棒もかつぎ、コドクだけれどmyペースで自分の生活をしている。
ボニは近所のセクシーなパン屋の女房を犯してすててやると日記に記し毎日、その夢想の中で息をしている。
父親と暮らしていた15歳のネネットは寄宿学校に入っていたのだが、突然、窓から荷物を放り投げ、寄宿学校から逃げ出す。そして兄の家を訪ねて行くのだが無視されきらわれ追い出されるのだが、又戻ってきて「妊娠している」そして「父親はいない」とボニに告げる。
そこから、心身共に離ればなれだった兄と妹が少しずつ歩みより、愛情が芽生えていく過程が変にベタベタしないでスーッとクールに描かれていて、妹が出産する頃からネネットが男らしくボニが女らしく見えてくる逆転していくような感情の起伏が大変面白いデス。
BONIのマリア様のようなやさしい顔で赤ちゃんを抱く姿はうっとりしてしまうし、ネネットが庭のブランコでシケモクを吸っている父親のようなさめた顔も又、良い良いデス。
私はこの映画の中で一番素直でかわいくて色っぽくて男なら(女でも)惚れぼれしてしまうのがパン屋の女房のヴァレリア ブルーニ テデスキだと思います。
それからマルセーユなまりのフランス語がいいし、日本では余りなじみのない「ティンダース ティックス」というイギリスのバンドのサウンドトラックが不思議な輝きを発しているので耳をすませて聞いて下さい。
人種の混ざり合った生活の中で自立して生きていく為に沢山の緊張感と勘を研ぎ澄ましていないといつ落ちていくかもしれない危うさの中で、大人になってゆく10代の子供たちはたくましくならざるを得ないのだと、尊敬の念を抱いてしまいました。

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ブエノスアイレス 〜亡きLeslie Cheungをしのんで・・・・。 2003.05.02


香港/1997/プレノンアッシュ配給

 

今Leslie Cheungが突然 天使の様に空の彼方へはばたいていってしまった・・・・・。
私はLeslieが哀しくほほえんでいたように思うけれどもう地上には降りてこないなと思うから、淋しくてたまらない。
映画「ブエノスアイレス」の中のウィンことLeslieはいつも恋人のファイに「やり直そう」と云っていた。
ファイは「またか」と思いながらも信じて一生懸命になっていく。
生きている間に「物事」が始まっていきいつまでもはっきりつかまえられないまま「恋人同士」になり、時がたつにつれ、まずくモンタージュされ、演技のへたな役者のように何となくちぐはぐになって離れると恋しく、「やり直そう」とする。
Leslieはそんな時むなしく身体を丸め、ベッドになげやりにころがり「おれにやさしくしろよ」と横柄に云い放つ・・・という演技が最高でダメな男のどうしようもない身勝手さ、わがままさが色っぽく見えてしまう。
Tony Leungのファイは誠実でやさしくウィンに意地悪されじゃけんにされても、一生懸命つくすのであるが、
ウィンの深い暗い奥の底の哀しさまでは理解出来ていない気がする。
だから、やっぱりウィンを見ているとドキドキと胸さわぎがして不安になりつつ、素敵なのです。
ウオン・カーウァイの映画の音楽はいつも面白いのですが、「ブエノス・アイレス」は最高で、私が一番尊敬するフランク・ザッパの「チャンガの復讐」’70、「フィルモアのマザーズ1971年6月」’71、「シーク・ヤプーティ」’79と、大好きなピアソラの「ザ・ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト」とカエターノ・ヴェローゾ「粋な男ライヴ」が入っているのです。
大感激で涙がこぼれそうになってしまいました。
そしてChristopher Doyleのカメラを通した「目線」を感じさせる映像は心を打つ美しさである。
彼がインタヴューの中で「ブエノスアイレス」では俳優達とダンスを踊っていたんだよ、と云っていた通り、リズムがあり、見ているものもウィンとファイと通りを歩いているような気がしてくる。
アルゼンチンと香港が1/2づつ上下に現れるシーンでは地球が丸くてまわっていることを認識させられ、スゴク小さな世界だと思っていた出来事は実は大きな意味があるのだヨと、LoveストーリーがHappyなかんじで脳の中にインプットされてしまい、そして違う道も見えてきて、登場人物を生々とみせ、愛し、理解しているという
Christopher Doyleに本当に感激してしまいます。
私個人の大好きなシーンは、せまいアパートの中でウィンがファイにダンスを練習させ、そして2人で一緒に踊る時、セクシーでいとしくなる程、せつない2人の関係を表していて胸がキューンとなりました。
1人の方も 2人の方も 3人の方もそれぞれの愛について考えながらお酒でも飲みましょう。
Leslie Cheung Thanks,xxx Love


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 2002.08.16


フランス/1984/仏語/カラー/102分

 

今年のむし暑い夏は好きになれなくて、思いきり地下にもぐりこみたい気分で、ずいぶん前の'84製作の「SUBWAY」を紹介したくなりました。
「SUBWAY」とは「underground railroad(地下鉄)」と「underground way(地下道)」の2つの意味があり、「subway」にはこの2つが登場します。

監督・脚本 リュック・ベッソン
美術 アレクサンドル・トローネ(当時80歳!)
マルセル・カルネの「北ホテル」、「天井桟敷の人々」ナド1930〜40年にかけての素晴らしい映画の美術を手がけた人。

写実的でありながら幻想的で夢物語のようなフンイキが全体に流れているという昔のフランス映画の美学をしっかり出している美術とunderground wayを流れにのって泳いでいるようにキレイにとるカメラ
そして音楽は、セロ奏者エリック・セラ
スゴイと思ったのはクリストフ・ランベールをはじめとして一流どころの俳優達がわきを固め、一人ずつ光っているところです。
ジャン・ユーグ・アングラード
イザベル・アジャーニ
リシャール・ボーランジェ
ジャン・レノ
それから味のある脇役俳優達の、ジャン・ピエール・パクリやジャン・ブィーズ

黒い画面に目抜き文字
To be is to do (存在は行動なり)ソクラテス
To do is to be (行動は存在だ)サルトル
Do be do be do (ドゥビ ドゥビ ドゥー)シナトラ

いきなり高速道路を2台の車がフルスピードでカーチェイス。
1台の車はそのまま地下鉄の入り口の階段に突っ込み、駅の中へ・・・・。
アナーキーな知的反抗物語なのですが、私にはステキに見えるキミョウな生き物達が広い駅の地下世界を、独特なゲームをしながら生活しています。
ローラースケートでかけぬけるハンサムな男の子
花売りのあやしいおじさん
サファリスーツに身を包んだバンドの連中
毎回、サイケな人形のような衣装とヘアースタイルで外から入ってくる美女
ボディービルにはげむ怪力男
地下通路のすべてをスティックでたたくスティック男
そんなこんながエキサイティングに地下道の世界で、あばれたり、追いかけられたり、見張られたり、バンドの練習したりして生活しているのです。
一度入り込むと出られないような気がするけど、あの美女のように、地下に彼氏がいるのはいいなと思います。

太陽ギンギンの外から帰ってきて
部屋の涼しげなカーテンを閉めて
冷たいビールかフランスの白ワインナド飲みながら
ビデオで「SUBWAY」の世界にもぐりこんで下さい。


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 2002.05.26


アメリカ/1999/英語/カラー、モノクロ /35mm(1:1.66)/90分

 

 少し前の映画をなぜここで紹介するかといえば、伽奈泥庵で5/10、「TYRONE COTTON」 BLUES and MOREというLIVE EVENT をこの前開催いたしました。
そのCOTTONがJACK-KEROUAC-FESTIVALを開く程の人物でそんなビートニクな彼と 話をしていくうちに、昔の出来事と思っていたことが、今も文化として存在して活動 していて、 ケンタッキーからやって来たCOTTONと私達の出逢いに感慨深い思いをしたからです。
個人と個人の出逢いから始まり、1950年代から現在までの長い年月に渡り息づ いている文化、 新しいJAZZの波を起こした、チャーリー パーカー、マイルス デイヴィスから KEROUACの「路上」 のpaperbackをジーンズのポケットに突っ込み、テキサスからヒッチハイクでサンフ ランシスコ に出て来たジャニス ジョップリン、そしてボブ ディラン。
それは「We are the source」(私達が原点だ)とバロウズが当り前の様な顔をして 言い放ち、世の中に不満だらけの 学生と世間で全く認められていない、”はなつまみ”のフリークスとの出逢いが 「You are us」となった。
息つく暇もない程のスピード感でタイプを打つ音とハイウェイとの交わりが KEROUACの「路上」の誕生である。
宗教と政治には全く関係なく始まったムーヴメントはさまざまな人達に影響を与えて 形を変えつつも、何処かでザワザワと音をたてている様です。
ギンズバーグやバロウズが80歳過迄自分自身の言葉で発言し続けてきたことは、 今の日本の福祉を考える上でも、とても重要なことと思えますので皆さん、原点は何 かを再確認する 上でも、「ビートニク」を是非観て下さい。
・ジョニーデップのJack Kerouac
・ジョン タトゥーロのAllen Ginsbearg
・デニス ホッパーのWilliam Burroughs
のSelectionは素晴らしいので耳を研ぎ澄ませて聞いて戴きたいです!
 最後にニール キャサディの言葉を。
「何にだって形はある
でも形は変わる
形の中に人生があるんじゃない」


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 2002.04.29


2001年アメリカ映画/1時間32分/ギャガ・コミュニケーションズ配給

 

オフ・ブロードウェイで大ヒットしたロックミュージカルが映画化されると、噂で聞いていてある日映画紹介で予告編を観た瞬間に「絶対行こう!」と思って、久しぶりに楽しくそして少し涙も、という醍醐味を味わえる作品を観ました。
内容は観てのお楽しみ!として、デヴィドボーイやルーリードなどを愛している皆さんには是非観に行って自分の“カタワレ”探しをして下さい。
いい歌や面白いアニメーションがふんだんに使われていて、個人的には「Midnight Radio」という曲の「♪〜・・・・・ロックに合わせて踊る、乾杯をパティに、ティナに、ヨーコに、アレサに、ノナに、ニコに、イカレタロッカー達にあなた達は正しい・・・・・。」と歌われているのを聞くと自分の青春時代がワーッと甦り思わず涙 がホロリと流れてしまいました。観た人それぞれにきっと感激する何かがあるでしょう!


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